生きてる途中に死んだらどうしよう

短編少女コミックのように印象的な叙景とセリフで構成された歌詞が、可愛らしさ・凶暴さ・純粋さと様々な面を見せ深読みを誘う。シンプルなメロディを叫ぶ様に歌うボーカルのガールズパンク的なテンションの高さと、それをいたってポップなアレンジが支える組み合わせの妙。「くほんぶつ」は、東京のインディー・ロックシーンで人知れず磨かれてきた小さな宝石だ。

2010年、高円寺のカルトライブスポット「無力無善寺」のブッキングマネージャーや、イベント「ラヴラヴ企画」「日本ロックフェスティバル」の主催などを経て、数々のインディー・アンダーグラウンドのバンドと関わって来た 内田るん が、満を持して自分のバンド「くほんぶつ」を結成した。

バンドメンバーは、 チムニィ, ランタンパレード のドラム光永渉、exロッチリア のベース喜代千晶、happle, exいなかやろう のキーボード斉藤麻美ら。内田が見て来た数々のバンドから、自身の楽曲のためのベストメンバーを揃えたというこの「ドリームチーム」は、シンプルなメロディを凝ったアレンジでポップスへと昇華させている。

子供の様な純粋さ、少女的な恋愛観、社会と自分に対するフェミニスト的な批評性といったバラバラな要素が、インディーズ・ロックシーンに関わって10年以上という経験を台木としてまとまり結実した楽曲が、多くの人の心に刺さっている。